火災保険の見舞金申請をする際は必ず現地調査が必要になります。
現地調査がどのように行われるのか、どのような流れで行われるのかご存じでしょうか。
今回は、
現地調査のやり方や内容について紹介していきます。
火災保険の現地調査とは?
火災保険の現地調査は、
- 火災保険の申請サポート会社の見舞金申請に必要な調査
- 保険会社の鑑定人による調査
の2種類に分かれます。
それぞれ調査の目的や内容がは異なりますが、家の損傷箇所を確認する点や自然災害による損傷原因を調査する点では類似しているところがございます。
1つずつ順番に紹介していきます。
火災保険の申請サポート会社の調査
火災保険申請サポート会社の調査は建物の損傷箇所を特定するために行います。
主に、保険会社に提出する被害状況報告書や見積書を作成します。
調査の依頼があった家に対して自然災害による損傷があるかを家全体を調査します。
あらゆる分野で専門性が高く、小さな損傷まで見落とさずに発見してくれるのが特徴になります。
火災保険の申請サポート会社が調査する時のよくある損傷箇所の事例としては以下が挙げられます。
- 雪が積もって雨どいが曲がった
- 台風でアンテナが曲がった
- 雹で部屋の窓が割れた
- 強風で瓦がズレた
損傷箇所が増えると保険会社の認定率が上がることが多く、より高額な見舞金を受け取ることが可能になります。
ただし、火災保険申請サポート会社の調査で注意しなければならない点が悪徳業者の存在になります。
悪徳業者は調査の際に、損傷していない箇所を調査時に故意に損傷させて自然災害の損傷と偽る場合があります。
このようなケースは詐欺罪に該当するので調査の際は全て任せてしまうのではなく、調査を観察することで未然に防ぐことが可能になります。
火災保険の申請サポートに関する詐欺に関しては以下の記事をご覧ください。
火災保険申請サポートの詳細につきましては以下記事をご覧ください。
火災保険申請サポート会社の現地調査の流れ
ここからは火災保険申請サポート会社に依頼した時の現地調査の流れを順番に紹介していきます。
①家に到着・挨拶
調査を予約した日時に調査員が訪問し、当日の調査の流れについて説明してくれます。
事前に被害が分かっている場合は、
被害状況や原因を詳しく話すことにより調査が円滑に進みますので積極的に話をするようにしましょう。
調査報告書の内容がより詳細になり、火災保険の見舞金申請の認定率が上がりやすくなります。
②契約書と契約内容の説明
調査当日に調査員が契約書内容を改めて説明します。
サービス内容や詳細・契約書を確認して問題なければ契約して現地調査に入ります。
③家周りの調査
家周りを中心に自然災害による損傷の有無を調査していきます。
該当する損傷があれば写真撮影します。
必要があれば、依頼主の許可の元、家に上がり家の中も調査する場合があります。
調査開始時に損傷部分以外にも気になる箇所があれば、「ここが気になる」というように調査員に伝えましょう。
あらかじめ気になる箇所を伝えることで見落としがなくなる上に、より詳しく調査してもらえます。
④調査報告
調査が終わり次第、損傷箇所を調査員より報告頂きます。
調査で撮影した損傷箇所などは、後日調査報告レポートとして家に郵送されてくることがほとんどです。
この時点でどの箇所が損傷していたかが明確になります。
火災保険会社の鑑定人による調査
火災保険会社の鑑定人による調査は、
火災保険の見舞金申請で提出された資料を見て、実際の被害状況報告書の被害の事実確認や見積書の妥当性を判断するために行います。
ただし損害額が少額の場合や被害状況が明確である時は鑑定人が調査に来ない可能性もあります。
保険会社に送付した申請書を基に調査するのですが、その際に損傷箇所の場所や状況など聞かれることがあります。
説明できるように準備があると、鑑定人の調査がスムーズにいくことが多いです。
保険会社の鑑定人の現地調査の流れ
保険会社の鑑定人の調査はどのような手順で調査をしていくのでしょうか。
順番に説明していきます。
①家に到着・挨拶
火災保険の申請サポート会社の調査の流れと同様に鑑定人が調査対象の建物に訪れ、調査の流れを説明します。
ほとんどの場合、鑑定人が資料を持参してくることが多いのであまり会話をすることがありませんが、積極的に損傷箇所の説明や原因を伝えるようにしましょう。
火災保険会社は契約者の証言を基にして保険金給付の認定やその金額を決めるので、
被害時の状況を詳しく説明すると鑑定人に伝わりやすくなります。
②申請書を基に調査
被害状況報告書や見積もり書の金額に誤りがないかを確認しながら、
損傷箇所を目視して調査します。
鑑定人が調査するのは以下のポイントになります。
- 被害状況
- 被害状況報告書と見積書
- 悪徳業者に依頼してないか
特に被害状況報告書と見積書は内容次第で、給付金額が大きく変わるので重要です。
③調査終了
保険会社鑑定人の調査が終了したら鑑定人が契約者にあいさつをしてそのまま帰ります。
ほとんどの場合が調査報告なしに調査結果を持ち帰り後日保険会社から連絡がくる形になります。
その後に火災保険会社から見舞金の受け取りという流れになりますが、
見舞金額に納得がいかない場合は保険会社に異議申し立ても可能です。
その際は保険会社のフリーダイヤルに連絡し、
- 火災保険会社の担当者変更
- 鑑定人の変更
を依頼して再度査定をしてもらうと給付金額が上がる場合もあります。
万が一、保険会社が取り合わない場合は損保ADRセンターに問い合わせて相談しましょう。
保険会社の鑑定人が調査に来る理由
火災保険の鑑定人が調査にくる目的は、
申請書の写真や報告書だけでは情報が不十分で、実際の損傷箇所を確認して損傷被害の大きさを調査しに来ることがほとんどです。
また、
保険会社は申請された内容の正確性を高くするために、被害状況や見積額が見舞金額に妥当性があるか確認する必要があります。
近年ではほとんどの場合で保険会社の鑑定人が来ますが、
以下3点に当てはまると保険会社鑑定人が現地調査に来る可能性がより高くなります。
- 申請金額が高額
- 火災保険申請サポート業者がブラックリストに登録されている
- 提出書類に不備があり信憑性に欠ける
鑑定人が来ても正当に見舞金申請をしている場合は、落ち着いて対応するようにしましょう。
保険会社の鑑定人による調査の注意点
保険会社の鑑定人に調査してもらう場合は以下の2つに注意する必要があります。
▼記載個所の調査漏れ▼
保険会社の鑑定人は建物の専門家ではないので目視できない部分の損傷は見逃す可能性があります。
申請箇所が減ると火災保険の見舞金の給付金額も減額されてしまうので、
記載個所の調査漏れがある場合は鑑定人に報告しましょう。
▼不明確な点は質問する▼
保険会社の鑑定人は建築の専門用語を使う場合が多いです。
専門用語で理解できない場合は必ずその場で質問しましょう。
意味を理解しないまま審査を進めると、受け取れるはずの見舞金が受け取れなくなる可能性があります。
現地調査の方法
現地調査の方法は主に以下の3つになります。
- 屋根の上に登って調査
- 高所カメラを使用した調査
- ドローンを使った調査
それぞれ調査方法には特徴があります。
高所カメラを使用した調査が一般的な調査方法になります。
保険会社の鑑定人の調査方法も高所カメラを使用した調査方法を使用しており、実際に屋根上に登ることはほとんどありません。
調査方法に優劣はありませんが、いずれの調査方法も損傷箇所をしっかり見極めて撮影する必要があります。
※ドローンを使用した調査は他の調査方法に比べると損傷箇所を見極めにくいため見舞金の認定がされにくい傾向があります。
現地調査にかかる時間
現地調査にかかる時間は最短で30分、長くても2時間程度です。
建物の大きさや損傷により前後しますが、2時間前後で収まる業者が殆どです。
ドローン調査の場合は他の調査方法に比べて短時間で調査が終わることが多いのが特徴になりますが、先述した通り損傷箇所の特定が漏れてしまうことがあります。
高所カメラや実際に屋根上に登っての調査にかかる時間はいずれも同じぐらいの時間を所要します。
現地調査の費用
現地調査にかかる費用は基本的に無料になりますが、火災保険の申請サポート会社に依頼した場合は費用が掛かることがあります。
以下のような場合に費用が掛かる場合があります。
①緊急対応の際の調査費用
被災箇所以外の調査をする際にかかる可能性がある費用です。
会社によって変わりますが、2万円前後が相場となります。
ほとんどの場合緊急対応費用は掛かりませんのでご安心ください。
②調査後の申請キャンセル費用
火災保険の申請サポート会社の現地調査後に申請を辞退した時に費用がかかります。
キャンセル費用として調査費用、交通費、書類作成費などかかる場合があります。
こちらは事前に契約書などに記載がありますのでご確認ください。
火災保険の調査に立ち会いは必要?
火災保険の申請サポートによる調査と鑑定人による調査はいずれも家主による立ち合いは必要なのか。
こちらは様々な意見があるかと思いますが、
結論から申し上げますと立ち合いはしていただいた方が良いです。
順番に理由を説明していきます。
まず一つ目の理由として、
依頼した火災保険の申請サポート会社が悪徳業者であった場合に、
調査中に故意に家屋を損傷することを未然に防ぐことができるという点です。
火災保険の契約者は罪に問われることはありませんが、犯罪に巻き込まれてしまうこともあります。
二つ目の理由としては、
自分の住んでいる家の状態を把握することができます。
気付いていない箇所の劣化が進んでいたり、思わぬ損傷が見つかる場合があるのでお時間がある方は立ち合いを推奨しています。
保険会社の鑑定人の場合も同様に立ち合いをして頂く方が良いです。
保険会社の鑑定人の場合は、申請書に記載のある損傷箇所を順番に確認してくれますが、
鑑定人によっては原因が曖昧な状態で帰ってしまう人がいます。
立ち合いをすることにより、
当時の状況などの説明もできますので損傷箇所の原因追及がスムーズに進むことがよくあります。
まとめ
今回は、
- 火災保険の現地調査とは?
- 現地調査の方法
- 火災保険申請サポートの現地調査の流れ
- 保険会社鑑定人の現地調査の流れ
について紹介しました。
火災保険の申請で現地調査は必須になります。
現地調査の内容を理解して、被害に見合った保険金を受け取りましょう。
火災保険の申請サポートに関するご質問はこちらからお気軽にご相談ください。